部屋の片付け
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早いもので、2007年もあっという間に過ぎるのでしょう。
僕は部屋を綺麗に保っておかないと嫌な人間なのでちょくちょく掃除しています。
でも軽い掃除のつもりが大掛かりになってしまうのはよくあること。
先日、本の整理をしていたらマジック関連の本がいくつか見つかりました。
仕舞い込んでいると忘れてしまうものですね、読み返してみるとかなり楽しい。
今日紹介するのは見つけたものの1つ、佐藤総さんの「トランプと悪知恵」
2003年に発行されたもので、これまでにないアイディアの詰まった素晴らしいノート。
読んでみて思うことは、「この人はなんて頭が良いのだろう」。
解説されているもので2つくらい、ある程度テクニックが必要なものもありますが、そんなに難しいものではありません。
簡単で効果の高い、それでいてマニアに見せても「アレ?」と思わせることができる。
何より重要なのが、現象がシンプルであること。
解説されているトリックをかいつまんで紹介します。
CROSS ASSEMBLER
デックを4パケットに分け正方形に並べます。
それぞれのパケットのトップに4枚のキングを乗せ、前列のキング2枚の位置を交換し、後列の2枚も交換します。
1つのパケットを指差し
「カードを少し移動しましたが、この山の上にのっているキングのマークが分かりますか?」
「実はどのマークを言っても正解です」
トップから4枚を表向きにすると、いつの間にか4枚のキングが集まっている。
MOTEMONTE
観客が異性にモテるかそうでないかをテストしてみると言ってデックを4パケットに分ける。
それぞれのトップには特別なカードが置かれている、と言って観客に1つのパケットを選んでもらう。これはフォースではありません。
選ばれなかったパケットのトップカードを見ると全てキングです。
選ばれたパケットのトップを観客に観てもらうと、それだけクィーン(女性)なのです。
ソリューションズ
非常に不可能性の高い「any card at any number」現象を2つ解説しています。
1つはちょっとした準備で割りと気軽にできるようなもの。
もう1つは準備が大変。時間とお金に余裕のある方は、といった感じのあくまでアイディア。
でも、実演可能で結構不思議。
LOVE A DOVE DOVE
マジックをされている方なら知っていると思います、「ラブ・ア・ダブ・ダブ」というカードを消す技法と同じ名前のトリック。
4枚のエースを示し、裏向きで軽く混ぜたあと、1枚を手の下に隠します。
残り3枚のエースを表向きに並べ、観客に手の下のカードを当ててもらいます。
勿論、他の3枚は見えているので手の下のカードは直ぐに分かります。
しかし観客が答えを言うと手の下のカードは消えてしまいます。
消えたカードはいつの間にか、脇に置いてあったカードケースの上に乗っているのです。
玉砕スタッキングの解説と応用
デックが観客の手でシャッフルされたにも関わらず、特定のスタックを生き残らせるようにすることができるアイディア。
観客には自分の手でシャッフルし、まったくランダムな状態にまとめられた様に見えます。
その原理を使った応用を5つ解説。
5つ目の応用例はデック以外の日常で見るものを使ったトリックです。
こういった応用が利くのは嬉しいところ。
YING-YANG DIVIDE
陰陽マークの書かれたコースターをテーブルに置き、このマークには不思議な力が宿る事を説明します。
デックをリフルし、ストップをかけてもらった所から6枚のカードを取り出します。
観客にマークの両サイドへ、全くの自由意志で6枚のカードを裏向きのまま3枚ずつに分けて置いてもらいます。
実は観客はマークの不思議な力でコントロールされていた、と言いマークを裏返すとそこには「19/23」といった数字が書かれています。(数字は例です。自分で変更できます)
観客に分けてもらった一方の3枚を表にし、数字を足すと19あり、もう一方は23なのです。
6枚のカードの数字はバラバラで、分け方が違えば足した数は予言と違ってしまいます。
他の場所に予言が用意されている、という訳ではありません。
WARP WRAP
フェイクカードを使ったカードの移動現象です。
選ばれたカードをデックに戻してもらい、怪しいことが出来ないようにデック全体に輪ゴムを掛けてしまいます。
しかし次の瞬間、中程に入れた観客のカードが輪ゴムを通り抜けて飛び出します。
次に、出てきた観客のカードを輪ゴムが掛かったままのデックに打ち付けると一瞬で消失、デックの中程に表向きで現れます。(この部分は非常にビジュアルです)
カードを抜き出し両手に挟むと消失、デックをテーブルに広げると再び表向きに入っています。
このトリックで使うフェイクカードは今まで見たこと無い面白いものです。
簡単に自作でき、解説されているトリック以外にも使い道は多そうです。
BUSHFIRE TRIUMPH
裏表の混ざっている状態をこれでもかと見せたうえで一瞬で揃ってしまう凄いトライアンフ。
2人の観客にそれぞれ1枚選んでもらいデックに戻してもらいます。
その後デックをテーブルの上で裏表を乱雑に混ぜてしまいますが、一瞬でカードの向きは揃ってしまい、選ばれた2枚のカードのみが表向きで現れます。
と、長々紹介しましたが、どのトリックも実演時間にしたら短いものばかり。
特筆すべきは最後のトライアンフ。どれも面白いトリックなんですが、これはまた別格。
凄いですよ。今までにあったどのトライアンフとも違います。
カードがばらばらで乱雑にテーブルの上に広がるので、嫌いな人もいるかもしれませんが、その乱雑な状態から一瞬で揃う様は実際にやっていて非常に不思議。
それでいて簡単なのですから。
もう1つ、最初のトリックCROSS ASSEMBLERは、解説を読む限りでは地味なんですよね。
ですがやってみると意外にもカッコイイです。スピーディーですし、解説を読む前に実演を観てみたかったトリックですね。
僕はこの冊子を2,3年前にフレンチドロップさんで購入しました。
この内容で3000円は、ハッキリ言って破格です。買うべきです。
上はBUSHFIRE TRIUMPHの混ざっている様子。
この状態から一瞬で裏表が揃ってしまいます。
「ロープを結んだりちょん切ってみたり、コインにしばらく浮気しても、いつの間にかカードの元に戻っている、、、そういうマニアは多いはずです。」
とは佐藤総さんの言葉。良い事言うなぁ。